劇作家より
1920年代のパリで活躍し成功した藤田嗣治。国際経験も豊富な彼が、なぜ日本型ファシズムに乗っかり戦争画を描くに至ったのか? 太平洋戦争時の藤田がどんな野心を持っていたのか? 書くことで体感しようと思い、この戯曲を書き始めた。
藤田を調べていく中で、当時の画家たちの全てではないにしろ多くが、自ら従軍して国威発揚の絵を描いていた事実を知った。社会の役に立つ絵を描きたい、という若い画家たちの素朴な思いが、やがて、日本の画壇全体で戦争画を描くという波を作り上げる。藤田は、その波に後から乗った画家だったが、誰よりも華麗だった。誰よりも鮮やかに波に乗った。
私は、藤田にも、国民の熱狂を作り出すことに加担したという意味で、罪があったと考えている。しかし、現代の視点で彼の戦争画を見ると、単純な戦意昂揚を狙っただけの絵ではないとも感じる。彼の戦争画は、人間の業としての戦争を、人類の“闇”を捉えようとしている。だから私も、目を凝らして、その“闇”を掴もうと手を伸ばした。
公演日程
2021年10月27日(水)~11月2日(火)
10月27日(水)19:00
10月28日(木)14:00★ / 19:00
10月29日(金)19:00
10月30日(土)13:30 / 18:00★
10月31日(日)13:30 / 18:00★
11月1日(月)19:00
11月2日(火)14:00
受付開始は開演の45分前、開場は開演の30分前。
未就学児の入場はご遠慮ください。
★印:終演後アフタートーク(約30分)あり
上演時間:1時間55分予定(休憩なし)
★アフタートークゲスト(10/13更新!!)
10月28日(木)14:00の回
マキノノゾミ氏(劇作家・脚本家・演出家・Makino Play主宰)「外国が舞台の物語の、せりふの文体とは?」
10月30日(土)18:00の回
松田正隆氏(劇作家・演出家・マレビトの会代表)
「”人物の二重性”と暴露の劇作」
10月31日(日)18:00の回
林洋子氏(美術史家、キュレイター)
「実像と虚像の狭間から、藤田嗣治を語る。」
キャスト
藤田 嗣治・・間瀬 英正
ナタリア(娼婦)・・廣田 明代
村中 青次(画家)・・泉 正太郎
ユーリャン(モデル)・・灘波 愛
藤田 君代(嗣治の妻)・・山村 茉梨乃*
多門 土郎(小説家志望)・・杉林 志保*
山田 秋平(画学生)・・片村 仁彦
住 喜代志(新聞記者)・・二條 正士
藤田 嗣章(軍医)・・井上 一馬
陸軍兵士1 ・・伊藤大貴
陸軍兵士2 ・・浦嶋建太
陸軍兵士3 ・・堀慎太郎
*印=劇団印象-indian elephant-所属




